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春椀
春のレシピ

山菜と鯛の春椀

⏱ 調理時間:45分 ★ 難易度:中級 👤 2人前
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この料理について

春椀は日本料理の中でも、季節の変わり目に最も繊細な表現を求められる椀物のひとつです。山菜の持つほろ苦さは、冬を乗り越えた命の芽吹きを象徴しており、鯛の淡白でありながら奥深い旨味と絶妙に呼応します。清澄に引いた一番出汁を主役とするこの椀物は、盛り付けた瞬間に立ち上る湯気とともに、春の野の情景を食卓に呼び込みます。

わらびの若緑、こごみのさわやかな香り、そして木の芽のピリリとした清涼感。これらの春の恵みを損なわず、それでいて一椀の中に調和させることが料理人の腕の見せどころです。一番出汁の薄口醤油で整えた味付けは、あくまで素材を引き立てるための最小限にとどめます。

材料(2人前)

鯛(切り身)200g
わらび(水煮)50g
こごみ30g
木の芽適量
一番出汁600ml
薄口醤油小さじ2
少々
本みりん小さじ1

作り方

  1. 1
    鯛の切り身に薄く塩を振り、10分ほど置いて余分な水分をキッチンペーパーで拭き取ります。その後、熱湯に一瞬くぐらせる「霜降り」を施し、すぐに氷水に取って表面を締めます。
  2. 2
    わらびはアクが残っていれば流水でよく洗い、食べやすい長さ(4〜5cm)に切ります。こごみはさっと湯がいて、色が鮮やかなうちに冷水に取り、水気を切ります。
  3. 3
    一番出汁を鍋に入れ、弱火でゆっくりと温めます。沸騰直前に薄口醤油と本みりんを加え、塩で味を整えます。出汁の色が変わらないよう、薄口醤油は少量ずつ加えて調整してください。
  4. 4
    霜降りした鯛を出汁の中に入れ、弱火で2〜3分、火が通るまでゆっくり温めます。鯛に火が入りすぎると身が硬くなるので、火加減に注意してください。
  5. 5
    椀を温めておきます。温めた椀に鯛を入れ、わらびとこごみを美しく添えます。熱々の出汁を静かに注ぎます。
  6. 6
    最後に木の芽を手の平に置いて軽くたたき、香りを立ててから椀の上に飾ります。すぐに蓋をして食卓へ。木の芽の香りが椀の中に広がります。

ポイント

鯛の霜降りについて
霜降りは鯛の生臭みを取り除くだけでなく、表面に細かなしわを作ることで出汁の旨味が染み込みやすくなります。湯通し後は必ず氷水で締めて、身の張りを保ちましょう。
出汁の温度管理
一番出汁は絶対に沸騰させないことが鉄則です。沸騰すると出汁が濁り、繊細な香りも飛んでしまいます。80〜90度を保ちながらゆっくり鯛に火を入れるのが理想です。
山菜の扱い方
山菜はそれぞれアクの強さが異なります。わらびは十分にアク抜きを、こごみは湯がきすぎず緑鮮やかなうちに仕上げましょう。春の苦味は春椀の醍醐味です。

この季節の食材について

山菜の季節は3月下旬から5月にかけて。こごみは比較的アクが少なく下処理が簡単で、ぬめりと独特の香りが春らしさを演出します。わらびは重曹を使ったアク抜きが必要ですが、その手間を惜しまないことが美味しい春椀への第一歩です。鯛は桜の咲く頃に産卵前の脂がのった「桜鯛」が特に美味で、この時期の春椀にはぜひ旬の鯛を使ってください。